まひなおしのみ 〜Pinoのきままな雑記帳〜

「クルトOTKのススメ。」移転先です。その他転鳴エルヴィ配布所などなど

『クルト特化ビショップ』運命編【シャドウバース】

『クルト特化ビショップ』の概要については最初の記事参照。リペアモード型のデッキの回し方については第14弾記事、実現型のデッキの回し方については第15.5弾記事参照。
ここでは第17弾パック「運命の神々」の追加で変化したクルト環境について語る。


☆クルト特化ビショップ向け追加カード
前弾で大幅強化された分、今弾は控えめ、というか一足遅い強化といった印象。
ポータル公開後に出てくるカードの方が気になるという流れはいつも通り。


・伝道の司祭・ロレーナ(ゴールド)
3/2/3、ファンファーレで1コスの回復スペルが手に入る。
入手できる「ロレーナの聖水」は体力2回復に加え1ドローもできる。回復が余っている場合は緊急回復やドローとしても使えるのは利点。
さらに、進化すれば相手のフォロワー1体に「自分のフォロワーの最大攻撃力」と同じダメージ、すなわち最低でも進化後ロレーナの4点ダメージを与えつつ、自身の攻撃力4で当たることができる。これ単体による単体除去としては金クルトと同等、「よろめく不死者」と「骸の王」が同時に置かれているなど、ごく限られた状況に限り金クルトでは除去できない時にも仕事できることもあるが、そうでなくとも3コスであるが故の小回りのききやすさもある。
その上このターン中既に2回回復していればEP踏み倒しが可能。クルトOTKでは条件を満たすことはほとんどないが、覚えておいて損はないだろう。
と、基本的には「鉄腕の修道女」の上位互換だが、ロレーナには守護がないので一応両方に入れる利点はある。

・光明のプリースト(シルバー)
1コスアクセラレートリーダー1点回復がようやくビショップに登場。
今更感は強いが、それでもデッキに直接入れられる上に場が埋まっていても使える1コス回復という点では唯一のカードである。
守護が場にいれば1ドローもできるが、現状採用圏内といえる守護カードが修道女ぐらいしかないので発動は厳しいか。
6コスなので誤って素で出すことはほとんどないが、10PP溜まってる場合は一応注意。最悪素出し進化させれば7/7で当たりつつリーダー4点回復できる。

・突然の落石(ブロンズ)
自分も含めた場のフォロワーの中からランダムで1体破壊。リスクがある代わりに2コスで撃てるというわけだ。
基本的にサーチカードしか置かないこのデッキにとっては自分の場にフォロワーがいないという状況も少なくないので、比較的相性はよい。「平等なる裁き」と違って潜伏や選択不可に対しても当たる可能性があるし、何なら手札が溢れそうなら空撃ちも可能と、採用の価値は十分にありそうだ。

ピアッシングエンジェル(ブロンズ)
2コスアクセラレートでランダムな相手1体に3ダメ。
ようやくアミュレットに依存しない2コスダメージがビショップに実装というわけだ…「平等なる裁き」に「突然の落石」まである今となっては遅すぎる実装だが。
「突然の落石」同様潜伏対策や空撃ちができるというのは採用理由になるか。素のコストは8なので誤って出すことはないだろう。

・宝石の輝き(シルバー)
1コスアミュレットサーチスペルがようやく登場。
ペガサス確定サーチしていたころにあれば大活躍だっただろうが、「黄金の鐘」すらドローカードとして使う今となっては微妙なところ。単純に1コスデッキ圧縮と考えれば優秀か?

☆もしかしたらクルトOTKに使えるかもしれない追加カード
・ピラータートル(シルバー)
3/1/4守護で、コスト4のビショップのフォロワーorアミュレットをサーチするカード。
今のところはクルトOTKに有用なカードは引いてこれないが、もしかしたら今後お世話になるかも。守護としては優秀だしね。
まあどちらかといえば相手に使われて嫌な顔をする羽目になるカードかな。エイラとか金クルトとかサーチされたくないカードをサーチされてしまう。

・星灯りの女神(ゴールド)
自分の手札にある最も古いカード(=左側のカード)3枚を複製するカード。
「これでジャスティー増やせれば4回以上融合できる!」と思うかもしれないが、複製したいカードを先に引けるかという運を差し引いても「こいつ自身が5コスなので出す暇がない」「3枚も複製したら手札溢れまくり」という問題がある。
つまりこのカードは「カードをガンガン使って左側に複製したいカードを持って来れるようなデッキ用のカード」ということ。クルトOTKでの出番は恐らくないだろう。

光輝の顕現・ラー(レジェンド)
今弾のアディショナルカード枠。ビショップゴールドのアディショナルはクルトOTKとは関係なし。
5/5/5守護と時間稼ぎにはちょうどいい性能で、毎ターン相手リーダーに「自分のターン数-5」だけのダメージを与える。
つまり最速で出したターンは0ダメージ、以降1ダメ、2ダメと増えていき、最速で出せなくても0ダメから始まるわけではないということ。
クルトOTKにおいてはレ・フィーエで十分なように見えるが、5ターン目に出せるという点は明確な強みとなる。後述の「招来の大天使」対策のためにも一考の余地はあるか。

☆クルトOTKにおいて警戒すべき追加カード
・《吊るされた男》・ローフラッド
エルフのレジェンドフォロワー。
エンハンス7で入手できる0コスのスペル「真偽の逆転」を使われると、お互いの場にあるカード全てが消滅してしまう。今は逆にペガサスのお世話になっているため、これを消されてリーサルに届かなくなる可能性は考慮しておきたい。
しかも返しのターンで相手を倒せないと、こちらの手札を丸々コピーされてしまう。普通のデッキならドローカードを先に使うことで相手の勝利のカード到達を阻止する、という対策法が通用するのだが、こちらはOTKコンボデッキ。おそらくこれを出される前にこちらの体力はそれなりに削れているだろうなので、ペガサス抜きの状態でも相手にクルトOTKをやり返されるなんてことになりかねない
もっとも、真偽の逆転よりはこいつ自身が進化後8/8になる可能性があることの方が恐ろしいのだが。早めに出されたら出されたでちゃんと除去しなければならない。

・《節制》・ルーゼン
ヴァンパイアのレジェンドフォロワー。
このフォロワーが場にいる限り、相手は2以上のダメージが1になってしまう。それだけでも辛いのに、相手リーダーがダメージを受けるたびにこちらのリーダーの体力最大値が-3されてしまう。間違ってもこいつを除去するまではクルトコンボをスタートさせてはいけない
9コスとかなり重めだが、0コスアクセラで手札に加えられる3コスのアミュレット「無欲への恩寵」が割れれば、スタッツが小さい代わりに特殊効果は一緒なルーゼンが出てくる。それでも8ターン目までかかるが、出された後7回自傷されればこちらの体力最大値は-1になってしまうのでほぼ負けであることに変わりはない。
一番の問題は「悪魔の鍵」とのコンボ。ルーゼンが手札にある状態で上手いことカウントダウンを進められると、想定より早く場に出てしまうこととなる。もっとも相手も体力最大値を減らす前に除去されてはかなわないので、自分のターン開始時に割れるよう調整してくるだろう。相手の能力で選択できないため、万が一生き残ったとしても進化されていると金クルトでも届かないので「突然の落石」ぐらいでしか対処できない、というのも辛いところだ。

・《運命の輪》・スロース
ネメシスのレジェンドフォロワー。
3コス共鳴状態でスロース本人を犠牲にこちら側の場に出てくる「惨禍の円環」が厄介。
盤面圧迫自体もクルトコンボに支障をきたすことがあるが、自分のターン開始時「ターン終了まで、自分の手札すべてのコストを+1する」効果を発動させてくるのが問題。(大天使と違ってフォロワーも対象)
この効果、3つある効果の中からまだ発動していないものがランダムで発動するという仕様のため、いつクルトコンボが使えないターンになるのかが発動まで分からないという点が頭を抱えさせるのだ。
序盤に出されてもキーカードをマナカーブ通りに出せなくなるのでなかなかに嫌らしい。これ自体はただの嫌がらせカードなので、相手がデッキに採用していなければよいのだが。

・招来の大天使
ニュートラルのアディショナルカード。
5/3/5守護とそれだけでアグロが止まりそうな性能をしているうえに、進化するとリーダーの最大体力が+5される(増えた分に合わせて5回復もする)。
この効果によって最大体力が20を上回ってしまうため、「削りを入れずに一気に20点ちょうどのダメージを与えるタイプのOTKデッキ」はこれ1枚でコンセプト崩壊してしまうこととなる。もちろん、クルトOTKも例外とは言えない。
幸いなのが、これ一回では肝心のダブルデスタイラントが止められないというところ(体力7の守護ではあるので全くの無意味ではないが)。メジャーなデッキが止められないので、少なくともアンリミでは「どのデッキにも入る万能カード」ということにはならなそうだ。それでも高コストカードがコンセプトのコントロールデッキには入ってくると思われるので、今まで餌だったデッキに対しててこずることにはなりそうだ。
ちなみに、ファンファーレ効果で「次のターンの相手の手札のフォロワー以外のカードのコストを+1する」効果はあるが、現在のクルトOTK中に影響があるのは「黄金の鐘」ぐらい(融合もアクセラレートも影響を受けない)。どちらかというとサーチする段階で除去スペルと同時に出しづらくなる点が問題か。


☆運命環境でのデッキ案
リペアモードを主軸とする「従来のデッキ」はもはや通用しなくなったので、今弾では考察を省かせていただく。今後デッキ圧迫を防ぎつつリーサルターンを短くできる強化でも貰わない限りは「ジャスティー融合型」を使う方が安定すると筆者は考える。

・ロレーナ採用型

「鉄腕の修道女」を「伝道の司祭・ロレーナ」に変えただけ…で済まそうと思っていたが、「突然の落石」「宝石の輝き」が思った以上に活躍したため色々いじったもの。
ロレーナや金クルトによる除去力と多めのドローで時間を稼ぎつつ、7ターンリーサルできる札を揃えることを狙う。
今時5コス進化必須なフィーナは重いと思うので外してあるが、クルトの引きが悪いと感じるなら再度採用も検討すること。

・光明採用型

3コスフォロワーはサーチカードで間に合ってるのでロレーナを出している暇はないとし、代わりに「光明のプリースト」を入れて素引きできる1コス回復を増やすことで6ターンリーサルを狙える機会をうかがう。
その分ドローカードが減っているため、うまいことカードが揃わないと7ターンすら間に合わないこともある諸刃の構築でもある。ロレーナ型と見比べてちょうどいいと思えるバランスで自己流デッキを組んでほしい。
金クルトは盤面をリセットするために有効なので4コスでも入れる。2コス除去札は空撃ちできて即効性のある落石を3積み、他を2積みにしてある。

「BD実現型」も6ターンリーサルが狙いやすいというメリットが健在なため今弾でも運用できるとは思うが、せいぜい「突然の落石」が入るかといったところしか変更点がないため省略。


☆各クラスとの相性
今のアンリミトップデッキは「次元が違う」のであまり気にする必要もないかもしれない…!?

・vsエルフ
前弾では影を薄めつつあったアマツエルフが、再び見かけるように…なったと思ったが、バウンスカードがさらに追加された豪風リノエルフが6ターンリーサルを十分狙えるようになったため、基本的にはリノばっか。
新機軸のアクセラエルフやローフラッドは、今のアンリミでは速度不足なのかあまり見かけない。アディショナルで追加される「生命の宴」も、アンリミなら初代リノでおkなので流行るにしても一時的だろう。
流行りのデッキが横並べなのを生かして「フォレストアケロウ」等で相手を封じ込めフラムグラス完成を狙うフリーズメイジ的なエルフにも出会ったが、さすがにメジャーにはならないかな…。てか流行ったら過剰なストレスだし

・vsロイヤル
ローテの連携ロイヤルが強い!…ということで俊足ナーフを食らう。それでも横展開力は後攻金クルトが決められないと阻止しようがないほどの勢いは健在。
この連携ブームによりアグロ気質のロイヤルが再び増えてしまったのは向かい風。
除去手段の増えた現状はほとんど見かけないが、ペインレスや潜伏に対して「突然の落石」という対処手段を得たのはデカい。

・vsウィッチ
土(秘術)ウィッチが大幅強化、冥府ウィッチは土主体へと形を変えた。魔道具も土主体のものが流行の兆しを見せる。
ただし魔道具はその強化によりローテでの運用も現実的なものになったためか、わざわざアンリミで使ってくる人はあまりいないようだ。そもそもどんなに頑張っても最速7ターンなのはアンリミでは遅いってのもある
スペブウィッチは「普通に見かける」程度まで落ち着き、自然ウィッチに至ってはほとんど見かけなくなった。機械ウィッチはそろそろ逆ナーフを受ける頃じゃないかな・・・

なんて思ってたらアディショナルルーニィの追加でスペブウィッチが復活。しかも式神以前の疾走をたくさん並べてくるいや~な奴らである。5ターン目に急にこちらの顔面を半分以上削ってくるので基本的に無理。なんでルーニィまで顔面3点飛ばすかなあ

・vsドラゴン
ディスカドラゴンが強化。魔境アンリミのデッキパワーとしては控えめとはいえ、こちらのデッキを押せるだけの展開力は十分にある。
後は今まで通り庭園とか、PPブースト込みの自然とか。アグロは機械軸が主流なようだ。

アディショナル後は「エターナルホエール」を軸にしたデッキを多く見かけるように。でっかい守護を置かれても、置かれた次のターンにクルトコンボを決めてしまえば敵ではない。押し切られる前にコンボパーツを揃えられるかが勝利の鍵となる。

・vsネクロマンサー
今弾でも強いミント沈黙デスタイラント…は相手が事故らない限り無理なので諦めるとして。
「幽魂の棺」に「幽暗の墓守」の結晶と、中身のある(=フォロワーの出るラストワード持ちの)アミュレットが続々と追加。これにより、それらアミュレットを無理やり割ってデカいフォロワーを早いターンで展開する骸の王ネクロが大幅強化。3ターン目にゼウスやデスブリンガーが立ち並ぶ様には「ジャイアントマッチ」も真っ青だろう。
しかしそれはぶん回った場合の話。うまくいかなければ落石や裁きでさばききれる程度の展開で済むため、グレモリー軸より勝機がある相手だったりする。
また、ローテで主軸であろうミルティオ軸による横展開も十分強力なので注意。

・vsヴァンパイア
前弾に引き続きアグロは多いが、背徳主軸のデッキは減り自然コントロールの一員に落ち着いた。そりゃ骸の展開力に対抗するなら背徳だけだと力不足だわな。
ルーゼンヴァンプはリーサルターンが遅いためかまず見かけない。というよりアンリミではルーゼン主体より狂乱ヴァンプにルーゼンを入れた方が安定する、といった方が正しいか。現状フラウロスが弱いと判断されているのは追い風かもしれない。

アディショナル後はアザゼルの進化時効果を付与しつつ大天使で体力を補強するタイプのコントロールヴァンプが流行りを見せつつある。クルトOTKにとってはまさに格好の獲物だが、そうはさせまいと相手も低コストフォロワーをばらまいてくる。「アグロかと思ってたらアザゼルで体力減らしてくれたラッキー」ぐらいに思うのが精神衛生面上よさそうだ。

・vsビショップ
前弾以上に教会ビショップばかり。教会を出されずとも早い段階からムニャールを押し付けられるだけでかなり辛い。
数は減らしたがエイラであれば落石のおかげもあって割と行ける印象。

アディショナル以降は「邪教の神殿」を割ることを考えたデッキが比較的流行(基本的には教会ばかりである点は変わらず)。ただ耐えて神殿のカウントを減らすだけのタイプならこちらにも余裕があるが、ニュートラル軸にして獅子で神殿を割るタイプの場合は神殿関係なくアグロムーブで押し切られてしまうため極めて危険。

・vsネメシス
ただでさえ強いアーティファクトが、「アーティファクトスキャン」の獲得でさらに万全なものとなってしまった。まあ根本的なレベルのナーフでも受けない限りアンリミネメシスの主軸はアーティファクトから変わらないだろうな
一応人形を破壊不可にしてからフェイランで強化していくという面白いデッキにも会ったりしたが…

アディショナルの追加カードにより、パラダイムシフトを多用するローテ式のアーティファクトネメシスもそれなりに見かけるように。高スタッツフォロワーが多くこれはこれでしんどい。まあ結局アーティファクトなんだけどな


☆まとめ
・今弾は一足遅めな効果の追加カード まあ強化されてるだけマシではある
・「突然の落石」で高スタッツフォロワーに備えよ!
・対策カードが続々登場。勝ち確と思っても油断しないように

「勝てない相手は勝てない」と割り切って戦えば、勝てそうな相手にはわりかし勝ってくれるクルトOTK。
アンリミが魔境と呼ばれる今だからこそ使ってみるのもいいかもしれないぞ。