『クルト特化ビショップ』の概要については最初の記事参照。ジャスティー融合型のデッキの回し方については第19弾記事、実現型のデッキの回し方については第15.5弾記事参照。
ここでは第24弾パック「天象の楽土」の追加で変化したクルト環境について語る。あくまで「宴楽」はカードタイプ名であって新パック名には含まれてないので注意
☆クルト特化ビショップ向け追加カード
前弾で「安息ベレロフォン」がTiar1(ないしそう言われるだけのメジャーデッキ)になってしまったがため、回復軸の強化は同時にクルトのナーフ確率を上げる諸刃の剣となってしまう恐れが出てきた(ローテではそこまででもなかったようだが)。
まあそれだけの強化を貰ったので、今回回復軸の強化はほぼなし。故にここから紹介するのはいつもなら「もしかしたらクルトOTKに使えるかもしれない追加カード」に該当するものばかりである。
・ブレイクタックル(ブロンズ)
2コスながら相手フォロワー1体に9ダメ!ただし9ダメなのは1発目だけで、2枚目以降は3ダメになる。
未だにビショップにとっては貴重な2コスダメージスペルであり、常に9ダメで撃てるようにピン刺しするもよし、どうせ代わりになるスペルが少ないので複数枚入れるもよし。
他の消滅系カードと比較してデメリットの少なさに重点を置くなら。
・天使の恩寵(シルバー)
3コス2ドロー。相手よりEPが多ければさらに自リーダーの体力とPPを2回復する。
一応クルトの弾としても使える可能性がある点では優秀か。
・信仰の一撃(シルバー)
自分の場にカードがあればそれを消滅させる代わりに相手の場のカード1枚も消滅させられる1コススペル。
アミュレットも生贄にできるとはいえ、ドローに命を懸けているこのデッキとはそこまで相性はよくないか。
・楽園への来訪(ゴールド)
新カードタイプ「宴楽」を持つカードを2種類1枚ずつサーチできるカード。「ワンダーコック」の場合と異なりスペルであり、フォロワーが場に出ない分2コスとお手軽。また「アイアロンの残骸」のように、これ自体も「宴楽」タイプだが、このカード自体はサーチに含まない。おさらに相手よりEPが多ければPP1回復のおまけつき。
クルトOTKに有用なカードに「宴楽」タイプが付けば、確定サーチとして有用。最悪デッキに1種類だけでも、それが有用なカードの確定サーチとあれば1ドローでも十分な効果といえる。つまりこのカードの評価は他の宴楽カード次第。もっと言えばクロスオーバーで役立ちそう
・福呼びの狐(ブロンズ)
このフォロワーの後に自分のターン中自分の場にフォロワーが出た時に、これが消滅して1ドローする。
これ自体は1コスだが、潜伏を持つ。とりあえず場に出しておいて、相手にランダム除去でもされなければ次ターンにドローが狙える。
これだけではミニゴブ確定サーチを濁らせるほどではないと思えるが、このカードのポイントは「宴楽」タイプであること。前述の「楽園への来訪」と後述のカードを合わせることで、ミニゴブと選択するだけのドロソとなる可能性を秘めている。
・清めの間(ゴールド)
2コスカウントダウン2のアミュレット。こちらも「宴楽」タイプ持ちで、自分のターン終了時に前述の「福呼びの狐」を1体場に出す。もう一つの効果はクルトOTKには関係なし。
2ターン目楽園→3ターン目清め狐で1ドロー→4ターン目にさらに1ドローと動けるわけだ。これが強いかはともかく、元は1枚のカードからこれだけのデッキ圧縮効果をもたらす点は一考に値する…はずである。
☆アンリミ版クロスオーバー実装時に役立ちそうなカード
・盗賊の乱飛(ロイヤル)
1コスで相手フォロワー1体に3ダメ。一昔前だったらトークンだったろうにと思うダメージだが、むしろこのカードがトークンを生み出す。
このスペルを使うことさえできれば、「輝く金貨」を手札に加えることができる。その効果は1コスで自リーダーと自フォロワー全てを1回復…そう、我らが旧友ペガサスの効果である。
おまけに相手よりEPが多い時に「盗賊の乱飛」を使えば、手に入る金貨のコストが-1される。つまり0コス回復スペルを入手できるのだ。
このスペルは「宴楽」タイプを持っているため、楽園でサーチが可能。後攻をとった際はなんとしても撃っておきたいところだが、対象がランダムではないので撃てるかは相手の盤面次第な点がネック。
前弾時点では黄金の杯ぐらいしかまともなクルトの弾がなかったロイヤルにとって、これは大きな前進といえるだろう(まあ肝心のスタートラインすら引かれてないのだが)。
☆天象環境でのデッキ案
先ほど「前弾でTiar1相当の強さだった」と書いたばかりだが、今弾ではアグロ・超越・OTKのリーサル速度がさらに加速。結果、この記事で推奨していた「とにかくドローしていち早くOTKを決める速度重視型」ではほとんど追いつけなくなってしまった。もちろん豪運でコンボパーツを引き当てれば勝てるかもだが、ミニゴブを出す暇がない以上現実的ではない。
そうして出た結論が、一般的に使われる回復ビショップのデッキ構成にすること。「相手の猛攻を耐えられるようにすることで、ベレロフォンの能力+クルト一人の構成でも打点が足りるまでリーサルターンを引き延ばす耐久重視型」であれば、この厳しい環境下でも高い勝率を保つことができる。無論このデッキでは削りがリーサルに繋がることが多く、OTKとは呼べない勝ち方が多くなってしまうのは否めない。要するにこの記事的には完全敗北といえる。とはいえ、クルトのおかげで大ダメージを与えて勝てるデッキではあるので、今弾の環境でクルトを活躍させたい!という人はこのデッキを使うしかないだろう。
一応一般的な「清浄ベレロフォン」とは微妙にデッキ構成を変えてある。「可能な限り早いターンでリーサルを」というこの記事のクルトデッキらしさは残したいため、今弾では抜けがちな「黄金の鐘」やそもそも入らない「荒天の雷神」を継続しドロソを確保。引ければリーサルの可能性を高められる1コス回復札も多めに。一方「荒野の休息」は手札でダブつきやすいので2積み止まり。
実質的にミニゴブが入れられなくなった代わりに、2コスト以下のフォロワーもデッキに入れてよくなった。そこで一般的にも使われる機会が増えている「マスターコック」を採用。2コスだが、進化権さえあれば2回回復できるので実質1コス回復札2枚分。守護で守りつつ20点OTK勢からのリーサルもわずかながら遠ざけるので実質安息の代わりとなる。「絶望の崇拝者」は回復と結びつかないこともあり不採用。
☆各クラスの動き
・vsエルフ
アンリミでは比較的容易にフェアリーウィスプが確保できること、ローテではイマイチな高コストエルフフォロワーが充実していることなどの理由で、新カード「化かし女将・ホズミ」の能力をわずか5ターンで成立させることが可能に。出せるフォロワーの組み合わせにも個性を付けることができ、OTKを成立させることもできてしまう。そんなわけでアンリミエルフの大半はこのホズミエルフとなってしまった。こちら側としては「清浄の領域」で選択不可の守護を盤面に登場させることでOTKを阻止することが可能。逆に言うとそうでもしないと阻止は難しい(安息マーウィンは刺さらない相手の時に引いてしまうと弱くなる)。
エルフフォロワーのサーチも同時に行える新たな1コスバウンスアクセラ持ちの「森の遊撃者(サイレンススズカ)」が登場したものの、豪風リノすらほぼ見かけなくなってしまった…それでも「ほぼ」なのはさすがアンリミ。
・vsロイヤル
「死地からの生還」を使って突撃兵を増やしまくるデッキが面白そうである。「値引き交渉」も面白そう。宴楽シナジーはローテ任せかな。
アグロ寄りの環境になったことで、守護を並べて防ぎきる連携ロイヤルが主流に。それこそベレロフォンのカモではあるが、引きが悪いと轢き殺されるので油断はできない。また、リーサルターンが伸びると「ビクトリーブレイダー」でクルトもベレロも防がれてしまう。さりげなくガウェインが再雇用されていることもあり、「7ターン目までに決めればいい」と高をくくっていると足元をすくわれることも。
・vsウィッチ
ユキシマは混沌対策とばかりにエンハンスでギガントキマイラみたいになる効果持ち。進化時効果で手札フォロワーにバフがかけられるが、なにせ対象がランダムなのでアンリミでは見かけなさそう。
それよりも見かけるのが「一世の探究」。2コスながら1ディスカ2ドローであり、手札を圧迫せずにデッキ枚数を減らせちまうやべー奴である。除去しながらスペブを2回もできちまうもっとやべー奴「チャクラムウィザード」の登場もあり、生半可なアグロを容易に止めてしまえるのに5ターン超越を平気でやり遂げてしまうという、今まで以上にやべー奴になってしまった。もうこいつから虹の輝き没収した方がいいんじゃないかなマジで
土ウィッチも強化が入りローテで活躍できるようになったが、それだけではアンリミのインフレに追いつけず採用率は伸びていない。
・vsドラゴン
ドラゴンの新しいおもちゃになりそうなカードが登場。その名も「双極の生命・フラム=グラス」である。サタナエル?あいつは混沌用でしょ
PPブーストしつつ融合しつつで相手盤面を破壊しながら疾走!まあ庭園ダゴンの方が安定しそうだが、環境初期は狙う人がそこそこいそうな気がする。まあ結局他のクラスの方が使いこなしてるけどね
ローテがバフドラゴン全盛期なこともあり、アンリミでドラゴンを見かけること自体が稀。ディスカドラゴンの起動が間に合わない都合、深海ダゴンや庭園ゾーイが主流か。
・vsネクロマンサー
前述のフラグラは7コス疾走ながらファンファーレ持ち。入れるならセレストとかが入ってる「サーチなし型骸ネクロ」に入れることになるのかな…とか思ってたが、そうかララという手があったか。毒林檎求魂で三回殴るもよし、魔海の女王の方をララで復活させ、フラグラデスタと手堅くOTKするもよし。
それも確かに強いが、流行ったのは複数追加された1コス葬送をふんだんに入れた葬送ネクロ。「デッドリーパー」を出してから葬送しまくって強化するのは序の口。「征伐の死帝」や「アンデッドパレード」でリッチを並べ、葬送で連携が稼げるのでフェイランも直接召喚。準備の過程でもラカンドウラの直接召喚で盤面除去も完璧と隙の無い構築。それだけでも強いのに墓場が溜まりやすいもんだからデスタイラントでとどめまでさせてしまう…もう清浄ベレロに頼るしかないですな。
・vsヴァンパイア
事前評価ではほとんど期待されてなかった「ハンドレスヴァンプ」がまさかの大暴れ。前弾までのTiar1をことごとくTiar2に追いやった恐ろしいデッキとなってしまった。それでもTiar1に返り咲いた超越はやっぱりおかしい
アグロなのに長期戦もでき、低コストの除去札も充実。そもそもハンドレス関係ない札での打点も高水準。事前評価時点で明らかになってなかったブロンズシルバー組がヤバかった、という話。
このデッキのせいでOTK重視のクルトデッキが組めなくなったといっても過言ではない…のだが、なんと一般的な回復ビショップはむしろハンドレスヴァンプに対して超有利となっている。さすがインチキ回復デッキは違うぜー とりあえずハンドレスの嵐が止むまでは一般的な型を使うしかないかな。
前弾でさんざん暴れまわった狂乱ヴァンプも全く弱くなっていないのだが、ハンドレスは煉獄フラウロスよりちょっと弱いぐらいの展開を毎ターンできる上、なんなら2ターン目に起動できてしまうという状況なため、わざわざ狂乱を使う意味が薄れてしまった。前述のとおり全く弱くなっていないため、除去しきれなかった場合は押し切られてもおかしくないので注意。
・vsビショップ
リーサルターンの加速による荒波のせいか、前弾までの安息と回復で耐えるタイプの「安息ベレロフォン」は衰退。代わりに「清浄の領域」を採用した「清浄ベレロフォン」など、安息に頼らず盤面有利を勝ち取りリーサルの機会をうかがうデッキに変貌することとなる。
アグロ環境なのに(だからこそ?)教会ビショップを全く見かけなくなったのも意外。他のビショップはせいぜいエイラがちょっといるぐらい。
実はローテでも(勝率は他と並んでいるが)使用率がダントツの最下位であった時期もあり、全体的に向かい風のようだ。
・vsネメシス
あのAFネメシスがまさかのTiar2落ち。にっくきジェネシスを以てしても、このリーサルターンの早さでは種類数もろくに稼げないのだという。ざまあともいえないのが辛いところ
今は人形やリーシェナも活躍できるローテの方が主戦場か。あっちはかっこいいロボもいるしな!
☆まとめ
・今弾は目立った強化は無し。使い慣れたデッキ…のはずなのに通用しない!?
・時代に対抗するには清浄ベレロに頼るしかなさそう。OTK我慢シーズン到来
・アンリミ版クロスオーバーが来たらありがたそうなロイヤルのカードが追加!
三日天下ならぬ三ヶ月天下だったでござる。まあクルトナーフされそうになくてよかったね、ということで。