まひなおしのみ 〜Pinoのきままな雑記帳〜

「クルトOTKのススメ。」移転先です。その他転鳴エルヴィ配布所などなど

転鳴誕生!

昇子はあの後、天使のはしごのある場所に吸い寄せられるように歩いていきました。
気がつくと、辺りは神秘的な森になっていました。
そしてその先には、マスカットほどの大きさの妖精が倒れていたのです。


人見知りな彼女は、恐る恐る声を掛けました。
昇子「大丈夫……ですか?」
その声を聞いて、妖精は目を覚ましました。
その妖精は頭に触角の生えた金髪の男の子で、緑色の服を着ていました。*1


彼が目を覚ますと、そこには青い服を着た可愛らしい女の子が立っていました。
妖精「…あれ、君は……?」
昇子は意外にも彼の声が低いことに驚きましたが、彼が無事だったことに喜びました。
昇子「よかった、無事みたいね。」
昇子の微笑のおかげで、妖精は少し元気が出たようです。
昇子「私は朝顔昇子です。あなたは?」
妖精「ボク?ボクの名前はエリー・ヴィーエル。
たくさんの人を幸せにするために、星を探して宇宙を彷徨っていたんだけど…。
どうやら、この星に着いたみたいだね。」
昇子「へぇ、他の星から来たんですか!」
元々まとも*2な友達が皆無だった昇子は、妖精という友達候補ができて嬉しい様子。
そんな彼女の後ろの方を、エリーは不思議そうに見ていました。*3


エリー「ところで…、君は妖怪か何かなのかい?」
いきなりの発言に昇子は驚きました。
昇子「よ、妖怪!?そんなことないよ。私は普通の人間だよ?」
エリー「そう?なんか尻尾みたいなのが生えてるみたいだけど…。」
昇子「えっ?」
言われて後ろを見ると確かに、半透明の青白っぽい尻尾のようなものが生えていました。*4
恐る恐る触ってみると…。
昇子「…ひゃっ!///」
彼女は幼女自体に体験したあの不思議な感覚に似たものを感じました。
そして思わず、恥ずかしさに顔を赤らめてしまいました。
エリー「どうやら本物の尻尾みたいだね。身に覚えはあるの?」
昇子「えっ…?そんな…こと…ないけど……。あっ!」
先ほどの喘ぎ声に恥らいつつ答える昇子は、先ほどのことを思い出しました。
昇子「もしかして…。ついてきて、エリー!」
そういうと昇子はさっきの場所へと走っていきました。
エリー「あっ、待ってよ〜!」
エリーも後を追います。


しかし元の場所では、見たくもない出来事が起こっていました。
横断歩道に広がる血痕、そして頭から血を流しながら救急車に乗せられていく昇子の姿…。
リン「大丈夫ですか!?返事をしてください!」
そこにいる昇子を轢きそうになった女性が、必死に彼女に呼びかけていました。
もしここで昇子が元の身体に戻れば、きっと彼女は生き延びていたでしょう。*5
しかし酷いいじめを受けた彼女にとって、血まみれの自分を見ることはとてもできませんでした。*6
昇子「…こんなの……、私じゃない!」
昇子は泣きながらさっきの森へと走っていきました。
へとへとになりながら彼女を追い駆けたエリーは、すれ違う彼女を見て驚きました。
エリー「えっ、また戻るのぉ!?」
エリーはすぐさま折り返しました。結局彼は、彼女の酷い様を見ていないわけです。


やっとの思いでエリーが昇子に追いついた時、彼女はぼんやりと森の湖を眺めていました。
昇子「私、死んじゃったんだ…。」
空気の読めないエリーは昇子の姿を見て喜びました。
エリー「はあ、はあ…。やっと追いついたよぉ〜。」*7
しょんぼりしている昇子は、振り向かずに尋ねました。
昇子「私、これからどうすればいいのかな…。」
エリー「えっ?」
何も知らないエリーは戸惑います。
昇子「自分の本来の姿を出せば周りに嫌われ、周りに好かれようとすれば自分を抑えなきゃならなくて…。
もう自分、どうしてたいいのか分からなくなっちゃって…。」
エリー「……。」
あまりに純粋すぎるエリーには、さっぱり分からない話でした。
しかしそのことが彼女を苦しめていることは彼にも理解できました。
エリー「自分の好きなことを認めてくれる…そんな場所を探せばいいんじゃない?」
エリーはエリーなりに答えました。
昇子「好きなことを……認めてくれる?」
エリー「そう。ボクだって、好きなことを認めてくれる場所を探してこの星にやってきたんだもの。
…君の好きなことは何?」
昇子「えっ、私の…好きなこと!?えーっとぉ……///」
昇子が真っ先に思いついたのは幼女時代の出来事ですが、そんなことは到底話せませんでした。
しかし、彼女は自分の付けていたネックレスを見たときに思い出しました。


そうだ、あの時文化祭で聴いたあの歌声…。彼女達の歌声に惹かれて、歌手になろうと思ったんだっけ…。
それでその時の決意として、その日文化祭で飲んだラムネの中のビー玉を、ネックレスにしたんだよね…。


昇子「私は……歌うのが好き!」
昇子の目は久々に輝きだしました。死んでしまった今、もう受験なんて関係ありません。
生き生きとした昇子をみて、エリーは喜びました。
エリー「そっか、歌うのが好きなんだね!ボクも歌は好きだよ!」
昇子「そうなの!?じゃあ…私たちでユニットを組みましょうよ!」
エリー「いいね、それ!」
その日の会話は弾みました。
チームの名字は、エリーの生まれた星「コロロン☆スター」から「転鳴(コロナ)」となり、
それぞれの実力向上を願い、エリーは「エルヴィ」、昇子は「ゆーぴぃ」と名乗り、
二人合わせて「LvUP」となるようにしました。*8


ゆーぴぃの喜びがエルヴィを元気付け、彼が元気でいることで彼女は笑顔でいられる。
幽霊は食事を必要としないので、話は一週間にも及びました。
しかし、それでも…。
エルヴィ「…流石におなかが減ってきたね。」
ゆーぴぃ「うん…。幽霊でもおなかは空くんだねw」
いくら食事を必要としなくても、この星の空気を吸っていると空腹感に襲われてしまいます。
とりあえずゆーぴぃのお小遣いでマクネナルドに行くことにしました。


ナナ「いらっしゃいませー!」
妖精の力かは分かりませんが、どうやら彼女達の姿は他の人にも見えている様子。
そしてそこには犬の頭を持つ蛇のような生き物や、生首というか饅頭というかよく分からない物体など、
奇奇怪怪なものもいるようで、幽霊と妖精ぐらいでは驚かれませんでした。
とりあえずゆーぴぃはチャカチャカチキンを二人分頼みました。
ゆーぴぃ「たまにはチーズの方も食べようかな…。これでいい?」
エルヴィ「……。」
何故か謎の物体を見てボーッとしているエルヴィ。*9
ゆーぴぃ「…おーい、エルヴィ?」
エルヴィ「…えっ?あ、うん、それでいいよっ」
ふと我に返り、焦るエルヴィ。当然何を頼んだかなんて分かりませんでした。


ゆーぴぃ「うん、たまにはチーズもいいねっ」
この星のものを食べるのは初めてのエルヴィ。
エルヴィ「(匂いからすると、多分僕の口に合うと思うけど…。)ぱくっ」
ゆーぴぃ「…どう?おいしい?」
エルヴィ「………!」
こっ、これはっ!まさしくボクが求めていた味っ!
肉汁広がるチキンも魅力的だけど、この粉!粉がとてもおいしい…!
エルヴィ「…このかかってるの、なんていうの?」
ゆーぴぃ「えっ?チーズだけど…。」
エルヴィ「チーズか!よーし、これから頑張ってトップを目指すぞ!
そしてチーズをたくさん食べるのだ♪」
ゆーぴぃ「え、エルヴィ!?」
こうして彼は、チーズという大好物を見つけることとなったのです。


そうして、しばらくはこの星や姿になれるため、ポケモンとともに戯れる日々を過ごしていましたが、*10
2009年のバレンタインデーに、UTAU界へとデビューしたのでした。

*1:どうやら「はいてない」様子。

*2:ゆーぴぃにとっての「まとも」=まともじゃない

*3:フシギソウ「呼びましたかぁ?」
ポケモントレーナー「…戻れ。」

*4:いわゆる「魂の尾」ってやつです。
本来は足の先が無くてこうなっているのが一般的ですが…。
(まあ外国では幽霊もちゃんと人間の形をしているらしいですけども)

*5:ただ頭を打ちつけたことで脳に障害が残る可能性は高かったと思いますが

*6:血が苦手=中の人と同じ

*7:ここの部分だけ取り出したらただの変態ですねw

*8:本来動画配布当初は「エル」と「ユピ」でしたが、
まあ歴史は変わるんだよってことで…

*9:ゆっくりしていってね!!!

*10:ポケモンの動画も「Elvy-Eupie」の名義で出していたので